「もしも」の時も、大切な資産と家族の暮らしを守る。 家族でつなぐ、新しい財産管理のカタチ「家族信託」
<目次>
- 「平均寿命」と「認知症」~人生100年時代の到来~
- 認知症問題:意思判断能力が失われるとどうなる?
- 「家族信託」とは?
- 家族信託で「不動産」と「お金」はどう守られる?
- 家族信託を始める最高のタイミングは「元気な今」
「平均寿命」と「認知症」~人生100年時代の到来~
日本の総人口は1億2,380万人(令和6年10月現在)。そのうち65歳以上の高齢者は3,624万人で、全体の《約29.3%(およそ3.4人に1人)》を占めています。
日本の総人口は長期的な減少傾向にあり、令和13年(2031年)に1億2,000万人を下回った後も減少し続け、令和52年(2070年)には8,700万人にまで減少すると推計されています。
一方で、総人口が減る中で高齢者割合が増加するため、高齢化率は上がり続けます。
・令和19年(2037年): 高齢化率33.3%(3人に1人が65歳以上)
・令和52年(2070年): 高齢化率38.7%(2.6人に1人が65歳以上)
令和25年以降は65歳以上の人口自体が減少に転じるものの、総人口の減少スピードが早いため、高齢化率は上昇を続け、本格的な超高齢社会が到来すると見込まれています。
そして、総人口の減少と高齢化率の上昇が加速する日本において、避けて通れない問題が「認知症・MCI(軽度認知障害)の急増」です。
■ 現在の状況(令和4年時点)65歳以上の高齢者のうち、認知症やその前段階とされるMCI(軽度認知障害)の割合は以下のとおり推計されています。
・認知症の方: 約443.2万人(高齢者の12.3%)
・MCI(軽度認知障害)の方: 約558.5万人(高齢者の15.5%)
(※高齢者の約3.6人に1人が認知症またはMCIに該当)
■ 将来の推計(令和22年/2040年)
・認知症の方: 約584.2万人(高齢者の14.9%)
・MCI(軽度認知障害)の方: 約612.8万人(高齢者の15.6%)
(※高齢者の約3.3人に1人に増加)

※出典:内閣府「令和7年版 高齢者白書」(第1章 第2節 高齢期の暮らしの動向)(図1-2-2-6「認知症及び軽度認知障害(MCI)の高齢者数と有病率の将来推計」より転載)
※出典:内閣府「令和7年版 高齢者白書」(第1章 第1節 高齢化の状況)/(第1章 第2節 高齢期の暮らしの動向)をもとに作成
認知症問題:意思判断能力が失われるとどうなる?
認知症で判断能力が低下すると銀行口座が凍結され、資産活用や売却が困難になります。投資物件の家賃引き出しや修繕・契約更新などの管理業務もできなくなります。

以前は、認知症による資産凍結の対策として「成年後見制度」を利用するしか選択肢がありませんでした。 しかし、成年後見制度はあくまで「本人の財産保護」を目的とする仕組みです。そのため、不動産の積極的な活用や大規模修繕、柔軟な資産の組み換えなどには対応できず、限界を感じるケースも少なくありませんでした。
そうした従来の課題を大きく変えたのが、「家族信託」です。
家族信託を活用することで、成年後見制度では難しかった「柔軟な資産管理・運用」が、家族の手で実現できるようになりました。
では、なぜ家族信託ならそれが可能なのか?その仕組みとメリットをわかりやすく解説します。
「家族信託」とは?
「家族による家族のための信託」
家族信託とは、信頼できる家族・親族に財産を託し、費用を抑えた形で柔軟な財産管理と資産承継を目指すことができる仕組みです。

一般的な資産承継の対策
認知症などで親の判断能力が低下した場合、成年後見制度では不動産の売却・活用・相続対策といった柔軟な対応ができません。一方、『家族信託』で事前に子へ権限を託しておけば、親の認知症後でも子がスムーズに各種対策を行えます。
さらに『家族信託』を活用すれば、生前の財産管理から認知症対策、亡くなった後の遺産承継まで、従来は委任契約・成年後見制度・遺言が必要だった3つの役割を1つの信託契約で一貫して実現できます。

家族信託で「不動産」と「お金」はどう守られる?
①不動産の守り方:名義の変更(信託登記)
信託する不動産は、登記簿上の所有者(委託者)から「受託者」へ変更となります。 これにより、「受託者」は「管理・処分権限を持つ者」として名義人になり、「委託者」が認知症になった後でも、「受託者」自身の判断で自宅の売却や賃貸契約などをスムーズに行えるようになります。
【ここが重要ポイント!】
- 実質的な所有者は委託者のまま:名義を変えるのはあくまで「管理のための手続き」です。
- 経済的利益は委託者のもの:家を売ったお金や家賃収入を受け取る権利「受益権」には残ります。
②お金の守り方:専用口座での分別管理
金銭信託の管理:受託者には、「分別管理義務」があり、受託者の個人資産と受益者から託された信託財産とは、明確に分けて管理する必要があります。そして、金銭の場合は、分別管理を徹底するために信託口口座で管理するのが模範的対応です。
※分別管理義務とは…「自分の固有の財産」と「託された信託財産」を明確に分けて管理しなければならないルールのことです。
ただし、九州エリアでは信託口口座の作成に対応している金融機関がまだ多くないのが実情です。
代替案として「信託専用口座」を利用する方法もありますが、こちらは受託者個人の事情(万が一の死亡や差し押さえ等)によって預金が引き出せなくなるリスクが存在します。
そのため、将来のトラブルを防ぐ意味でも、できる限り「信託口口座」の利用をおすすめします。
【信託口口座の特徴】
- 金融機関による事前リーガルチェックを経て、信託契約書をもとに作成する預貯金口座で、受託者が届出印を登録する。
- 口座の名義を見ただけで信託金銭を管理している口座であることがわかる。
- 受託者が倒れても、第二受託者がスムーズに預金を引き継げる。
家族信託を始める最高のタイミングは「元気な今」
家族信託で最も大切なのは、健康で、自分の意思をしっかり伝えられるうちに契約を結ぶことです。
「認知症になってから考えよう」では、意思能力がないと判断され、家族信託の契約を結ぶこと自体ができなくなってしまいます。家族信託の設計から契約、口座開設までには通常2〜3ヶ月ほどの期間がかかるため、思い立ったら早めに準備を進めることが成功の鍵です。
「まだ元気だから早い」のではなく、「元気な今だからこそ、大切な家族のために選択肢を広げられる」のが家族信託の最大のメリットです。
まずはご家族で「将来の実家やお金のこと」について、気軽に話してみることから始めてみませんか?
たくさんの家族信託をサポートしてきた大分財産コンサルだからこそ、ご家族ごとに最適なご提案ができます。
手遅れになって後悔する前に、まずは一度お気軽にご相談ください。

